鏡像の世界へ—。

いづろ画塾

2013年05月19日 14:45


画家たちにとって『鏡』の中の世界は、興味あるモティーフ。
まか不思議!
実像とは左右逆の『鏡像』の世界。
私たちが鏡を使って自画像を描く場合、
鏡に映る姿は鏡像となり
写真や動画で見る自分の姿に
ちょっとした違和感を覚えることもあるかと思います。

『声』に関しても、録音して再生した自分の語りに
「あれ!これ、わたし?」などと感じた経験のある方も…。

さて、『鏡』の話にもどりましょう。
自画像を描く時、1枚の鏡を用います。
証明写真の様に表情の無い人物像は、退屈なので
ほんのわずかの演出をすると、
絵は生き生きとしてきます。(演出過多は逆効果!)
自画像を描くということは、自分と向き合い
自己の内面と語り合うことでもあり、
新しい自分の発見にもつながります。
美術を志す人間にとって
とても大切な行為のように思えます。

当塾の卒塾生には、それぞれの合格の後、
1枚の自画像デッサンを残してもらうのが常ですが、
近年の作品を数点紹介してみましょう。




※鏡を2枚用いると横顔も描けます

鏡像の絵画と言えば
ダリの『立体鏡的絵画の中のダリとガラ』
ベラスケス『鏡を見るヴィーナス』や『ラス・メニーナス』

シュールレアリストであるダリの『立体鏡的絵画の中のダリとガラ』は
6枚の鏡をセットして、ガラと自分の後頭部を見える様にし、描写したとのこと。
セッティングを紹介したいのですが、
今の私には※△※???です。

大学入試においても
某私立大においては、『鏡』を補助材として「両手に○○を持ったところを描きなさい。」
であったり、
国立画像設計・AO入試においては、
テーブルに鏡が置かれ、
「鏡に映った姿も含め、セットされたモティーフを描きなさい。」等の
入試課題もあります。

更に発展させると
凹凸面、カッティングシートによる不規則な鏡面など
興味が尽きません。
これも数点紹介してみましょう。





最後に、先週描いた塾生のミラー効果の
デッサン全体と部分の描写を紹介します。
ポイントは接点のしっかりした描き込みといえましょう。






(※描き出しから3時間)

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