2023年始のご挨拶

いづろ画塾

2023年01月03日 14:08




あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

今年の年賀状に入れた言葉は『未知への軌跡』。

『未知への』は、まだ見ぬ未来の話ではなく過去・現在・未来を指します。

過去の自分にとっての未知であった『現在』は『過去』となり、『現在』の自分にとって未知の『未来』は『現在』となり。
…そうやって、これからも『軌跡』を紡いでゆく。過去・現在・未来。

そんな思いです。


近い感覚としては、高村光太郎さんの『道程』のようなニュアンスです。

有名なフレーズ
僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る 
が有名なこの詩ですが、詩のはじまりはこの言葉ではなく原文は以降も長く続きます。意外なほどに。

しかしこれは光太郎氏が紡いだことば。
この詩すべてに心底から首肯できるほどの理解はしかねる自分がいます。
他の人生を歩む他人ゆえ、当然のことと言えます。

ただ、共感できる『なにか』があることで、自分や周囲の人の来し方・道程に思いを馳せる…考えることができるのが、詩やことばの魅力と思います。


私にも、塾生さんにも、仕事先の方々・繋がりある方々にも、その親御さん・きょうだい・友人・親戚の方々にも。
各々の『軌跡』が、間違いなくあり、絶え間なく描かれ続ける。

それが正しい・間違いは誰が判ずることもできない。
ただ、「その『軌跡』があったからこそ今の自分がある」
…そう思える日が来ることを。

そのように肯定できる瞬間があれば。
すこしだけ、足取りは軽くなる。
すこし自分に優しくなれる、かもしれない。
すこし視野が拡がり、『だれか』への想像力が生まれるのではないかしら…とも、思います。


『いづろ画塾』も2023年11月には19周年を迎えます。

2022年11月15日、18周年を迎えることができました。
塾長である父が2013年9月に亡くなってから約9年。…それから9年、続けて来ました。
父がメインに指導を行ってきた年月を超えてしまうことは、私個人にとって、なんともいえない折り返し地点のようでした。


けれども、訪れてくださる塾生さんがおり。
(自分自身の望みが希薄なぶん)なさねばならないことがあり、或いは『まだ自分に提供できるものがある・応えられる』と客観性のフィルターを慎重に通しても、まだ感じられる以上は続けたい。
それのみで、未だ続けてまいりました。


上述の『まだ自分に提供できるものがある・応えられる』…これが謙虚さを欠いた『自分の存在のための言い訳』にならないうちは、立ち続けたい。そう思っています。

慣れや慢心は、終わりの始まりと考えます。


昨年は夏から11月一杯、総合型入試・学校推薦入試の対応に追われ、現在もですが新規入塾を2023春まではお断りしている状況です。お問い合わせいただいた方々、申し訳ありません。

嬉しい結果あり・涙を飲んだ子ありの中、3月中旬までは現体制のまま全力疾走を続ける所存です。
一般生の方々とは、たのしみを共に見出しながら。
学生さん達とは、望む未来をともに模索しながら。


コロナ禍も4年目に近づき、未だ終息の兆しが見えないのが悲しいところですが…『with コロナ』というかたちで徐々に世の中も変化してきました。
大学生の対面型授業や従来のイベントが増えてきたり、遠慮してくださっていた卒塾生さんの訪れも徐々に増え、嬉しい限りです。


また、14周年を機にアップした『いづろ画塾ギャラリー』が、昨年から望んだ使われ方をしはじめたことも嬉しく思っています。

塾生さんは自らの歩みの確認・気になる他の塾生さんの作品を閲覧したり。親御さんも嬉しく見ていただいているようです。
各人のページに、日々の出来事の備忘録やメッセージ等を私が折々書き込んでいることもあり、なんだか『連絡帳(今もあるのかな)』みたいだなぁ…と思うことも。

卒塾生さんもまた、自身の振り返りだけでなく、大学で制作した作品・自身のWEBサイトやSNSを掲載させてくれることで同期の子らが互いの歩みを垣間見たりと。

今年も多くの素敵な作品が生まれてゆくことでしょう。

本年も、よろしくお願いいたします。


いづろ画塾 山之上彩美

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