2014年11月21日

かわいい子らの旅-2

鹿児島のストリート美術館に出展しました

11月15(土),16日(日)に鹿児島中央駅前の広場で催された『ストリート美術館』に一般・学生合わせて、11名の塾生有志が出展しました。

『塾生有志!』…とは言えど、当塾&塾生さんたちにとって、はじめてのグループ展示です。
出展者は学生~社会人と年齢も通塾日も異なる方々。打ち合わせの席を設けることがなかなかできないため、『画塾としての展示ではない』、としながらも、準備においては若干でしゃばることとなりました。

集まる作品数が未定であったため、w180×h90cmの自立型ボード(両面使用可)を1つレンタルし、あとは画塾のイーゼルや机を持っていけばいいかな?…のんきに構えておりましたが、
開催日が近づくにつれ、「これも必要では?」「模擬スペースをつくって計画を立てないと…!」と…徐々に緊迫感がでてきました。

グループとして出展する上でやらねばならないことが、実は山積していました。
たとえば…

 ・出品者は何名か、作品点数はひとり何点か?看板は誰が描くのか
 ・作品に添える作品名と作者名のプレート制作(各人にタイトルを付けてもらう)
 ・額縁の必要の確認や、立体作品の展示方法の考案
 ・今後の活動を考えている方のアーティスト名刺の制作サポート(…デザイン会社ですので)
 ・出展の際の常駐者のローテーションをどうするか?
  …等々。


前日・当日朝まで額縁の塗装や額縁裏の釘入れ、パネル貼り、看板制作に皆で追われる日々でした。
慌ただしい雰囲気に、最近入塾したYちゃんが鉛筆デッサンの手を止めてはまわりをきょろきょろ。
「なんだか今日は、工房みたいですね~」と、周囲の様子に興味津々。

Kちゃん&Fさんは購入してきた額縁(100均)に、作品の雰囲気に合う色合いで塗装。
しかし、いざ作品を入れてみると…

 「額縁と作品の間に片方だけ隙間ができちゃいました…」
 「ウ~ム・・・・・切るしかあるまい!

額縁の余分な丈を測り、最近大活躍中の電気のこぎりで垂直にカット。ヤスリで面を整えボンドで接着・固定。
隙間はパテで埋め、目立たぬように再塗装!・・・嗚呼、DIY。

(左)Kちゃん作品、(右)リョウさん作品
▲左:Kちゃん作品、右:リョウ(F)さん作品。白い額縁がサイズを調整したもの。リョウさんの黒い額縁は、内側に朱色を入れたことで漆のような印象になり、和風なイラストと非常にマッチしました。



さて当日。

朝7時前ごろから車に作品を詰めはじめ、軽自動車2台(うち1台はもう1往復…)で搬入、展示準備に向かいました。会場の広場にはテントがずらりと並び、展示を始めている方もちらほら。
ステージも準備されており、活気ある雰囲気です。『ストリート美術館』の名のとおり、設営中から通行される方々が鑑賞をはじめられたり、鹿児島中央駅前という場所柄、外国からの旅行者も多数いらっしゃいました。


いち制作者としての『出品』ならば、作品を制作し、合う額縁に入れ(或いは制作し)、搬入!…となるのですが、今回は展示まで自らで行わなければなりません。

先日塾生2人が個人で出展し、さまざまな印象を得た“アートマ”翌週ということもあり、今回は各々の塾生さんの作品が『活きた』展示となるようにしたい、思っておりました。

チーム名は、投票(?)により決定した『がじゅまる』。
看板と展示スペース
▲看板<制作/左:Mさん、右:Kくん>と展示スペース(1日目)。

集まった作品群の色合いやサイズ、傾向は多種多様。

前記事では『個人ブース』内に、『ひとりの多個性』を置くと、大切な『個性』がぼやけてしまう、と記しましたが、今回は『多個性あふれること』が前提のグループ展示。また、テント内の展示でもあり、前回とは勝手が異なります。

作品の配置・バランス・見る方にとっての入りやすさと見やすさ、一足踏み入れた後の目線や歩く動線などを考えながら、
『客観的に見てみよう』とスペースから少し離れてはためつすがめつ何度も話し合い、パネルやイーゼル、立体作品の位置調整を行いました。(時間帯に応じて自主的に調整も行っていたようです。エライ!)

真白な幅180cmパネルには額縁作品を掛けるためにK君がトンテンカンテンひたすら釘を打ち、
パネルや紙作品の裏には、FさんとMさんが両面テープをせっせと貼りました。
同作者の作品は寄せて配置。ネームプレートもその作品の近くに。
真っ白なボードにバランスよく配置していく感覚は『立体レイアウト』。

会場メインステージと準備風景
▲会場メインステージと準備風景。メインステージではライブペイントが行われ、賑わっていました。

ばたばたと準備するさなかも、場所柄でしょうか、既に鑑賞をはじめる通行人の方がちらほら。
まさに「ストリート美術館」…!と感心。

時間が迫る中
「この絵の並びは横に配した方が魅力的に思うけれど、どうかな?」
「ネームプレートはここに貼った方が、バランスいいですよね」
「今日は風が強いね~、イーゼルに絵の裏のひもを掛けて固定しよう!」
  …バターン!
「うわ~!Yちゃんの作品が倒れましたー!」
「額の端が割れたー!」
「木工ボンドで留めて、しばし目玉クリップで固定しておけば大丈夫!でも次の配置、気をつけよう!」

・・・緊張感あふれる準備タイムでした。




鑑賞者さまへの対応は、常駐の塾生さん達が担ってくれました。

結果的に画塾内の実行委員会?となった皆さん
▲結果的に画塾内の実行委員会(?)となった皆さん。ありがとうね。

先日アートイベントに個人出展した大学生のK(鳴嶋)君とF(リョウ)さんは、額縁作成や設営に活躍。
K君のロバ人気も健在でした。今回は広々と置けたので、足下のニワトリくんにも注目が集まりました。
Fさんは展示2日目『ゼンタング』なる描法で展示パネルを装飾。

彼女とともにパネルを装飾してくれた社会人Mさんはイベント前に連日、仕事帰りに看板制作や、自身の作品に雰囲気ピッタリのオリジナルの流木フレーム(休塾日、お母様と海に流木を拾いにゆきました)づくりに精を出しました。鑑賞者さまへの落ち着いた対応に、普段の働く姿がキラリ、垣間見えました。
搬入搬出にはお母様にも多大なご協力を頂き、心から感謝しています。

常駐&搬出に協力してくれたS君。アニメーションの原画マンを目指し学業の傍らコツコツと鍛錬を重ねています。
今回の展示で『多くの人に見てもらうこと』『仲間と展示する』体験は、大きな刺激になったようです。次回は、即席クロッキーに挑戦…できるかな?


塾生さんたち皆さん、展示された自分の作品を見たり、他の出展者・鑑賞者との交流などを楽しみ、たくさんのことを得たようです。
実際に生身のひとと相対し、自分や他の人の作品へのリアクションを体感したことで、今後の課題を感じたり、ささやかながらも力強い確信を得たり、自分の方向性を改めて考えるきっかけとなったり…。各々にドラマがあったように思います。

社会人出展者・Epimbiさん、感想ありがとうございました。
私が遅筆でなかなか今回の記事が出せなかったため、前記事にコメント&感想を書き込んで下さいました。

個人的には、画塾&仕事のため会場にはあまり滞在できず、会場がいちばん盛り上がっている時間帯の臨場感を体感したり、見に来て下さった塾生さん・仕事関係の方とお会いすることができなかったのは残念でしたが、塾生さんのみで場を切り盛りするという体験で、みんなが一回り大きくなったなぁ…という心持ちです。
(今回の記事で準備時間の記載が多いのはそのためです…すみません。。
各々の体験談等アップしている際は、リンクを貼りますのでご一報下さいね。)


180cmパネル両面
▲180cmパネル両面

スケジュール的にはだいぶハードでしたが、2週続けての、今回のイベントウィークは大変勉強になりました。
総じて、皆にとっていい展示・経験になったと思います。

そのような素敵な場を提供して下さった、ストリート美術館実行委員の皆様、ありがとうございました。

連日の準備や段取りに加え、100組のテントやステージの設営作業。
当日の運営、ステージでのライブパフォーマンスに、個人ブースの展示…
その大変さは想像してあまりあるものがありました。
(もちろん大いなる『やりがい』や『達成感』もあられると思います)
facebookを利用していないため直接の書き込みはできませんが、この場を借りて感謝申し上げます。
貴重な体験をありがとうございました。本当におつかれさまです!

展示風景2

展示を見に来られなかった塾生さんはご希望がありましたら当日の写真などたくさん撮っていますのでお声かけ下さい。
展示に参加し、今後の活動のために展示の写真が必要な塾生さんもお声かけ下さい。
自身のホームページやポートフォリオなどに、おおいに活用していただきたいと思います。

イベント当日も精一杯『いづろ』で頑張ったみんなも、お疲れさまでした。遅くまでみんな本当に頑張った!
明日はまた土曜日。
みな既に『次へ』気持ちを切り替えて走り出しています。
そのステップアップのサポートをしっかり担っていきたいと思います。



同じカテゴリー(日々)の記事画像
2023年始のご挨拶
下小野田 夏子 展 [初個展]
2022年始のご挨拶
2021年始のご挨拶
2020ご挨拶と2019_下半期出来事
2020ご挨拶と2019_上半期出来事
同じカテゴリー(日々)の記事
 2023年始のご挨拶 (2023-01-03 14:08)
 下小野田 夏子 展 [初個展] (2022-04-14 10:29)
 2022年始のご挨拶 (2022-01-05 11:26)
 2021年始のご挨拶 (2021-01-03 11:04)
 2020ご挨拶と2019_下半期出来事 (2020-01-09 15:16)
 2020ご挨拶と2019_上半期出来事 (2020-01-03 17:58)

Posted by いづろ画塾 at 16:41│Comments(0)日々催し
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
かわいい子らの旅-2
    コメント(0)