2013年04月10日

児童画から古典絵画

画材
当塾には、小学2年生・3年生・5年生・6年生が
各数名ずつ通塾しています。
『児童画』を幼児から小学6年生までとしたときに

その発育過程は
その子の環境や人格、経験等によって異なりはしますが、

1)『お遊びとしてのお絵描き』

2)『自己表現としての絵』

3)『自然や映画・アニメ等に影響される個性的な絵』

この 2)〜3)段階へ移り変わるのが
小学校5・6年生(早ければ3・4年生)頃になるのでしょう。

児童美術心理学を研究されている書物等を読むと
幼児~少年・少女~ときには青年期までをも含めた
『描く絵』に対する考察の中で
「この絵を描いた子は家族愛に満たされている…」とか
「特殊な価値観を持っている…」等と
心の分析をされる方もいらっしゃるようです。

私が思うに、
児童画は平面的意識の中で上手に描こうと思わず、
画用紙の中で夢広げ、創造性豊かに描けば良しの表現物です。

ちょっぴりお姉ちゃん、お兄ちゃんになったら
パース(=立体意識)が芽生え、
いよいよ自然への観察心と表現力の世界へ
導かれていくのです。

ここでは幼少期とは異なり
『もっと描きたい!』
『ん~思ったように描けない』といったジレンマが始まります。
この時期、お友達やご両親、学校の先生の賛美の言葉が
より美術の世界の門を大きく開いていくのです。

美術の世界に入ると、基礎デッサン、色彩トレーニング、造形演習など
を経て、より興味のある専門性の高いエリアに進むことになります。

今週はたまたま、成人一般の落ち着いた素敵なKさんが
ルネサンス期名画中の名画『モナリザ』コンピュータによつて
当時の色彩に再現した画像を持参され、古典描法に則って
模写をされています。
ちょっとロングランの制作になりそうです。
モナリザ 

もう一人とてもお茶目な小学3年生Hちゃん
一昨日の題材は砂浜•貝殻•海•イルカ•空と雲です。
準備した貝殻などを参考にどんどん描き進みました。
貝
絵 

大きなイルカのお母さんと遠くに子供イルカ。

〈塾長  談〉「きっとお母さんが言っているよね、オーイちびちゃん!何処にイルカ?」
       「もうお昼の時間ですよ!ご飯イルカ?」  なんて…

〈Hちゃん談〉「ん”〜」

やってしまった親父ギャグ! 
すかさず
〈塾長  談〉「このホタテ貝はね、君がずーとお姉ちゃんになった時、
        美術の教科書で知ることになるんだけど、
        昔々『ボッティチェルリのビーナスの誕生』
        という大変有名な絵があってね、
        このホタテ貝に乗った美の神様が島に上陸する場面なんだよ。」

ビーナス

〈Hちゃん談〉「あ、ほんとだ! でもどうして赤ちゃんじゃないの?
        この男の人なんで息をふいてるの? なんでこんなに花がまってるの?」


〈塾長  談〉「美の神様だからちっちゃい赤ちゃんや子供の頃は無かったんだろうね〜。
        おめでたい誕生日だから息ふき花たちを舞わせているんだろうね〜」

〈Hちゃん談〉「ん”〜 ん”〜 ん”〜」

〈塾長  談〉「ほらこの波を見てごらん、水平線近くの波は小ちゃく、
        手前の波は大きく描かれているでしょう。
        だから遠くに見えてくるんだよ。」

〈Hちゃん談〉「ほ〜ほ〜 わたしも そうしよーっと! でも貝殻は表の方が好きだ〜」

なんてことを話しながらの一時間30分のお絵描きタイムであった。
横で知らぬフリしながら、デッサンをしていた大学生のTさん、助けてほしかったよー。

〈Tさん 談〉「ふふ たいへんですね。」

〈塾長 語らず”  △”×○*♪…〉

お迎えが来るあいだ『チーコを従えるHちゃんであった。』

チーコ

塾長のひとりごと



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Posted by いづろ画塾 at 18:52│Comments(0)塾長のひとりごと
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